157.「円相 五蘊皆空(ごうん かいくう)」
般若心経にも「五蘊皆空」という言葉がでてきます。「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時」に続き「照見五蘊皆空」となります。「照見五蘊皆空」は、「五蘊皆空と照見(分かった)」となります。
読み下すと、「五蘊は、皆(みな)空である」となります。
五蘊:人間を成り立たせている五つの要素。色(しき)(=肉体)・受(=感覚)・想(=想像)・行(ぎょう)(=心の作用)・識(=意識)。
天風先生は、「空」は「唯一つの実在=宇宙霊」と言っています。つまり、「五蘊(人間を成り立たせている五つの要素)は 皆(みな)んな 空(唯一つの実在=宇宙霊)である」となります。
・以下、叡智のひびき・箴言4 p41 より
「宇宙の真相を正しく感得(かんとく)するには、何をどう考えればよいかというに、まず第一に考察すべきことは、この世にありとあらゆる万物万象(ばんぶつばんしょう)は(もちろん宇宙そのものも)何とも何によって作為(さくい)されているかということである。
これが宇宙の真相を感得する根本要諦(こんぽんようてい)である。
そもそも、この世の物という物のすべては、要約すれば、いずれもそのことごとくが皆「空」と名付ける「唯一つの実在」という絶対のものから作為されているのである。
ただし、「空」とは無ということではない。「無」は、何もない=Nothingである。
「空」とは、何もないのではなく、厳密にいえば、「空」とは意識感覚の線状に現出しない「有」なのである。」(叡智のひびき・箴言4 p41 より)