165.「諸悪幕作衆善奉行(しょあくまくさ しゅぜんぶぎょう)」

 1962年夏 統一哲人 天風写とあります。一休宗純の「諸悪莫作・衆善奉行」が有名ですので、これを写したものでしょうか。

 「七仏通誡(しちぶつつうかい)の偈(げ)」の前半です。昔よりこの世にあらわれた諸仏がみな同じように説いている普遍の真理だと言われます。当たり前の事「諸々の悪しきことをせず、もろもろの善いことを実行しなさい。」は言うのは簡単ですが、実行するのは色々と容易ではありません。

 真理のひびき 箴言20に「善いことはなんでもいいから真似しろ 悪いことはうそにもかりそめにも真似するな」とあります。また、「模倣が極度に到達すると真実と寸分の相違がないようになる」との事です。まずは、模倣から始めることが大切です。

 

 

・以下、webより

これは、「七仏通誡(しちぶつつうかい)の偈(げ)」といわれるものです。七仏とは過去七仏と云われる毘婆尸仏(びばしぶつ)・尸棄仏(しきぶつ)・毘舎浮仏(びしゃふぶつ)・拘留孫仏(くるそんぶつ)・拘那含牟尼仏(くなごんむにぶつ)・迦葉仏(かしょうぶつ)・釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)のことです。お釈迦さまは自分は古仏の跡を歩んだのであるとされ、この過去七仏の存在を説かれました。そして、この過去七仏も同じく説いたという意味で「七仏通誡(しちぶつつうかい)の偈(げ)」というのです。つまり、これはお釈迦さまだけが説かれるのではなく、昔よりこの世にあらわれた諸仏がみな同じように説いている普遍の真理なのだという教えをあらわしたものです。

 仏の教えというと難しいことを考えますが、四苦八苦なるこの人生を「生きていることは尊いことだ」「生きていることは有り難いことだ」、この人生を最善に生すとはどういうことかということでしょう。それを、つきつめれば、「諸悪莫作・衆善奉行」なのです。簡単でわかりやすい教えなのですが、身体でその真理を受けとめることになるというと簡単な修行ではありません。

 

 上座部仏教および禅宗に於いて特に重んぜられ、禅宗では日常の読経にも取り入れられている。 一休宗純による「諸悪莫作・衆善奉行」と大書した掛け軸が有名である。