189.「利休宗匠の言葉 茶の湯とはただ湯を沸かし 茶を入れて飲むばかりなる 事とこそ知れ」

 「利休の言う「ただ」には「一心に」「心をこめる」という意味」とありました。当たり前のことを言っているようですが、“今” “ここに” 一心 に活きることは容易ではありません。

天風先生は、真人生の探究 第二章 精神生命の法則p166で「さしあたる、その事のみをただ思え。過去は及ばす、未来は知られず」の古詩を引用されています。取越(未来)苦労や過去苦労をすることなく、今を大切に活きることが大切です。

 

・以下、webより

「利休の言う「ただ」には「一心に」「心をこめる」という意味があります。

タイミングよくお湯をわかし、心を込めてお茶を点てる。簡単そうに思われるかもしれませんが、その「当たり前」と思われることが決して簡単でないことがこの言葉には含まれています。

茶道教室でいろいろな方が点てたお茶を飲むとわかるかもしれませんが、

同じお抹茶を使ってもお茶の量、お湯の量と温度点て方でお茶の味わいは違ってきます。

もちろん同じ人でもその時の状況でお茶の点て具合が変わることもあるでしょう。

皆さん、どのくらい心を込めてお抹茶を掬っているでしょうか。

堅苦しいと思われがちの作法ですが、お点前には意味があり茶道の精神を伝えるためであったりお茶会をスムーズに進めるためであったり相手や物を大切に思う気持ちの表れであったりします。

無駄のない動きが自分自身の心と相手の心も落ち着かせます。

単なるお点前の手順や形式のみでなく精神的な心の在り方が大切なのです。

また、茶道具や茶花などの取合せは季節を大切にし、調和を考えお客様に楽しんでいただけるように心を込めて考えます。

客は、その思い入れや趣向を感じ、受けとめともにお茶を楽しみます。

共通の認識を持って一碗のお茶を楽しむことから一体感を感じることができるわけです。

のどを潤すためのお茶であってそれだけではない。

精神の修養をして飲むまでの過程を楽しむという先人たちの智恵が盛り込まれ洗練されてきたものが茶道なのです。

とは言え、茶道だから特別なものではなく普段の生活の延長線にあるもの。季節を感じ生活に取り入れ相手を想い自分の心にも目を向けながら毎日を大事に生きること。

 

それが茶道の教えの重要な部分だと思います。