196.「瞬間々々全生全滅全生全滅」

「瞬間々々の全生全滅、全生全滅」という言葉は、道元禅師が使われていたようです。

 

道元禅師の即心是佛観(山田霊林著)には、以下のように「菩提心にしても、意識以前の生活にしても、それは瞬間々々の全生全滅、全生全滅の存在である」とありました。

 また、量子論では、最小単位のプランク時間(約5.4×10-44秒)があります。最小単位があるということは、この世は連続していないことになります。ですから、瞬間々々に(すべ)てが生まれ・全(すべ)てが滅していると考えることができます。

思考等についても、同じように瞬間々々に生まれ・全(すべ)てが滅していると考えることができます。今を大切に活きることが大切です。

 

・以下、道元禅師の即心是佛観(山田霊林著)より

「ただし菩提心にしても、意識以前の生活にしても、それは瞬間々々の全生全滅、全生全滅の存在であり、瞬間々々因縁生起の存在であり、瞬間々々感応道交の存在であって、固定的でなく、常恒的でなく、同一的でなく、うぶ毛の先きで突くほどの我儘も気儘(まま)も許されない厳然たる瞬間々々の存在であって、境涯といっても、生活といっても、一般人の常識で考えるようなものでないのである。それを道元禅師は、次のごとく述べられている。

 

「この心(菩提心)もとよりあるにあらず、いまあらたに忽起するにあらず、一にあらず、多にあらず、自然にあらず、凝然にあらず、わが身のなかにあるにあらず、わが身は心のなかにあるにあらず。この心は法界に周遍せるにあらず、前にあらず、後にあらず、あるにあらず、なきにあらず、自性にあらず、他性にあらず、共性にあらず、無因性にあらず、しかあれども感應道交するところに襲菩提心するなり。」」