219.「養楽全眞」

 楽(たの)しみを養(やしな)うことは、全(すべ)て眞(まこと)」と読み下しました。

 

 「楽(たの)しみを養(やしな)う」の意味を考えてみました。叡智のひびき 箴言15で「平素人生を楽しく感じる程度を低調にして活きると、「苦しみ」の方向のみその心が知らず識らず看る。だから、いかなる場合にも、明るく、朗らかに、活き活きと、勇ましく、人生に活きる。」と説明されています。「楽しみを養う」(苦を楽みに振りかえる)ことが大切です。

 

 ・以下、叡智のひびき 箴言15 より

「苦を楽みに振りかえることの出来ない人は人のよろこびを吾が悦びと為し得ぬ人と同様で謂わゆる凡庸下俗の人である」

 物質本位の生活を、人間生活の当然の常道(じょうどう)なりと思う人々の心の中には、いつも人間の心の中にある五欲[財・色・食・名・睡への欲求]という欲求情念のみが、絶えず炎々と燃えている。

 したがって、どんな場合にも、たとえ第三者からみて幸福だと思えるような事態の中で生活しているときといえども、決してこれで十分だという満足感がその心の中に生じない。

 だから、その結果、どうしても人生を心の底から楽しく感じて生きるということはできない。

 わかりやすくいえば、平素人生を楽しく感じる程度を低調にして活きる、という生活態度を心にもたして日々を活きている人は、自分では気がつかないが、いつも人生のすべての事を「苦しみ」の方向のみその心が知らず識らず看るのである。

 

 世の人々の大部分は、われら天風会員のように、いかなる場合にも、明るく、朗らかに、活き活きと、勇ましく、人生に活きていないがために、人生をいつも楽しからず、面白からずで活きている。