224.「十牛訓_第四図 得牛 序 1964年 晩春」
今回も、前回に続き 十牛訓の序です。 第四図 得牛です。
・以下、読み下し(webと註(2枚目)による)
久しく郊外に埋もれて 今日渠(かれ)に逢う。
境勝れたるに由って 以って追い難し。
芳叢を恋いて而も已まず、頑心尚勇み、野生猶存す。
純和を得んと欲せば 必ず鞭撻を加えよ。
・意味
長らく郊外の原野にかくれていた牛に、今日やっとめぐり逢った。
この心牛の境地は無心で優れているが、自由奔放な野性を持つので、なかなか追いつくことができない。
牛はこれまでさ迷っていた原野の芳草が 未だ気になるようで自分の方を振り向かない。
まだまだ頑迷な野性が残っているからだ。
牛をおとなしくさせたいなら、厳しく鞭を当てて訓練をしなければならない。