225.「十牛訓_第五図 牧牛 序 1964年 初夏」
今回も、前回に続き 十牛訓の序です。 第五図 牧牛です。夏になりました。
・以下、読み下し(webと註(2枚目)による)
前思わずかに起これば、後念相随う。
覚に由るが故に以って真となり、迷に在るが故に志か(而)も妄となる。
境に由(よ)って有なるにあらず、唯(ただ)自心より生ず。
鼻索(びさく)牢(つよ)く牽(ひ)いて 擬議(ぎぎ)を容(い)れざれ。
擬議: 1 よく思いめぐらすこと。さまざまに論議すること。2 躊躇(ちゅうちょ)すること。ためらうこと。
・意味
ある思いが起こると、その後から別の思い続いて起こる。
本心にめざめること(覚)で、真に悟るのである。
本心を見失っているから、迷うのだ。
それは外界(境)のせいではなく、すべて自分の心から生まれるのだ。
迷いが生じた時には、すぐ牛の鼻につないだ手綱を強く引いて訓練しなければならない。