26.花籠(はなかご)
天風先生は、色々な絵を描かれます。今回は「花籠」です。きれいな花で、こころ和みます。「真人生の創造」で、植物心にからめて以下のように述べられています。
「常識的に言えば、生きてると思われるものの中に植物心はみんなあるわけだ。だからちょいと見ると、草や木には心がないと思ってるが、歌なんかじゃ「しず心なく咲く花の」と言っていますが、美しく咲いてる花見てからに、この花は人間を楽しませたいために咲き出したんだなんてことは考えられないというんで、しず心なく。花のほうは何もそんな目的も何もなく、自分の与えられたそのまんまの自然をそこで咲かせてるだけで、その見てた人間のほうが喜ぶだけなんだから、花それ自身には心がないぞと、こういくふうに言うところから「しず心なく」と言うんでしょうけど。」(「真人生の創造」p134より)
以下、参考
【静心なく】
「静心(しづごころ)」は「落ち着いた心」という意味です。「落ち着いた心がなく」という意味で、散る桜の花を人間のように見立てる擬人法を使っています。