27.「瓦(かわら)」

 「瓦(かわら)」というと、「瓦を磨いて鏡となす(南岳磨甎:なんがくません)」が有名です。自分磨きをすることが大切です。

 

・逸話:南岳懐譲(なんがく・えじょう)という禅僧のもとに、馬祖道一(ばそ・どういつ)という弟子がいた。ある日、馬祖が坐禅をしていると、そこに師である懐譲がやってきて問うた。「馬祖よ、お前さんはずっと坐禅を続けておるが、何のために坐禅をしているのかね?」

「はい、仏になるために坐禅をしています」その答えを聞くと、懐譲は地面に落ちていた瓦をおもむろに手に取り、馬祖の横で黙々と磨きはじめた。

 

 

・解説:瓦を磨く懐譲は、こう言いたかったのではないだろうか。「どうして瓦が鏡になる必要があるだろうか。瓦は、磨いて瓦になるべきものである。瓦としての本分を全うすれば、それ以上の在り方はない。だから馬祖が仏になる必要などないのだ。馬祖は、磨いて馬祖になればいい。馬祖になるということが、仏になるということなのだぞ。」(webより)