35.言不順則事不成(言順ならざれば則ち事成らず。)

現代訳:ことばが順当でなければ仕事もできあがらない。

孔子・「論語」子路第十三の三「名正しからざれば則ち言順わず」にある言葉です。

 

「名正しからざれば即ち言順(したが)わず、言順わざれば即ち事成らず、事成らざれば即ち礼楽興こらず、礼楽興こらざれば即ち刑罰中(あた)らず、刑罰中ざれば即ち民手足を掻く所なし。故に君子はこれに名づくれば必らず言うべきなり。これを言えば必らず行なうべきなり。君子、其の言に於いて、苟(いやし)くもする所なきのみ。(『論語』子路第十三)」

【現代語訳】 名が正しくなければことばも順当でなく、ことばが順当でなければ仕事もできあがらず、仕事ができあがらなければ儀礼や音楽も盛んにならず、儀礼や音楽が盛んでなければ刑罰もぴったりゆかず、刑罰がぴったりゆかなければ人民は{不安で}手足のおきどころもなくなる。だから君子は名をつけたらきっとことばで言えるし、ことばで言ったらきっと実行できるようにする。君子は自分のことばについては決していいかげんにしないものだよ。(『論語』(岩波文庫)金谷治訳注)