48.「楽有笑中」(楽しさは笑いの中に有り)

 天風先生は、「楽しさ」や「笑い」を大切にしていました。研心抄の最後に「笑いと人生」が付いています。ここでは、以下のように心の楽しむことが大切です。

「古い日本の道歌に、面白き事なき世をおもしろく住みなすものは心なりける というのがある。更に西哲オリヴァ・インデルス・ホルムスの語に「およそ楽観歓喜の観念は、神が人間に生命をより新しく甦らせるために与えられた霊液ともいうべく、これに反して憂愁、煩悶、恐怖、憤怒、悲観、苦労といような消極的観念こそは、命を腐らす毒錆(どくさび)のようなものである」というのがある。

 実際、たのしい、面白い、嬉しい、という観念が心の中に生じた時程、朗らかな活きがいを人生に感じる事はない。」(研心抄「笑いと人生」より)