76.「神感光紀」(しんかんこうき)
「神の感応は、光の紀(すじみち)」と読み下してみました。
天風会で「感応」というと「感応性能」を思い出します。「感じ・応じる心のはたらき」のことです。天風会第四代会長の杉山彦一先生は、「いのちを活きる」の中で、「現代の心理学は、心のはたらきを感受性と反応性に分類するが、現実の心のはたらきは連続している。自動車が近づいてきた(感受性)、すぐによける(反応性)のである。であるから、感受性と反応性は総合して感応性能という方が実情に合っている。」と感応性能を説明されています。
いま、コロナで感応性能が消極に傾いています。感応性能の積極化法(観念要素の更改、積極観念の養成、神経反射の調節)を行い、強化・積極化することが大切です。
・神感(しんかん):神が感応すること。また、その感応。
・紀(き):1.すじみちをたてて記したもの。また、天子の事績を記したもの。「紀行・紀要・紀伝・本紀」、2.すじみち。のり。きまりをつける。
・感応性能の強化 いのちを活きる 杉山彦一著
「心を強くする手がかりとして天風哲人が捉えたのは、感応性能(Suggestibilitat)というものである。一般の人々には耳慣れない語である。感応性能とは、心が本来持っているはたらきである。文字通りに解釈すれば、感じ、応ずる心のはたらきである。
われわれは、外界からの刺激があれば、黙ってはいられないのである、眼、耳、鼻、舌、皮膚という刺激受容器は、それぞれの刺激をうけとり、刺激は大脳の各中枢に送られ、中枢を中心として感覚が生じる。さらにいくつかの感覚を総合して、知覚が成立する。ここまでは感じ、うけとる心の働きであるから感受性と言う。
感覚し知覚した素材を通して、私たちは環境状況を知り、その状況にどのように対応したらよいか、いろいろと考え、判断し、行動する。うまくいけば喜び、うまくいかなければ不快になる。このように思考、判断、行動、感情などは感受したことにより引き起こされた心のはたらきであるから反応性と言う。
現代の心理学は、心のはたらきを感受性と反応性に分類するが、現実の心のはたらきは連続している。自動車が近づいてきた(感受性)、すぐによける(反応性)のである。であるから、感受性と反応性は総合して感応性能という方が実情に合っている。」(いのちを活きる 杉山彦一著p87より)