木曜行修会 「創造と破壊」 山本正徳 2019年11月28日
・「心を磨く」 中村天風著 より
・生命の根源は、見えない世界に充満するエネルギーにある
とにかく何にもなく見えるこの空の世界は無の世界ではない。この見えない空の世界には、ところ狭きまで充満しているプランク定数h(量子力学的な現象を特徴づける普遍定数。ドイツ物理学者マックス・プランクが1900年に発見)というものがある。
注)量子力学:微小領域が対象。エネルギー(時間・長さ・重さ 含む)には最小単位(量子)がある。プランク定数を元にした単位は、宇宙人にも通用する。プランク定数は、物の根源の基本単位。観察する場合と観察しない場合では、結果が異なる。(観察(思考)が、物理に入った。確率でしか表せない。それまでの物理学(大きな領域が対象。ニュートン力学、相対性原理(アインシュタイン))は、一対一の関係が明確。
・「いのちを生きる(根源のいのち)」 杉山彦一著 より
・是正滅法(二つ(生(結合と建設:創造)、滅(分解と還元:破壊)のはたらき)
何故、現象は変化するのか。それは、生と滅のはたらきが現象界を支配しているからであると、大乗の仏教哲学はいう。
・宇宙霊のはたらき
一方、天風哲学は「宇宙の根源主体は、はかり知れない力とすばらしい叡智を、法則的に使い、絶妙な創造活動をしている。そしてあらゆるものを進化させ、大調和あらしめようとしている。根源主体を宇宙霊と名付ける。」と言う。
・根源主体のはたらき
進化と向上を実現するには、根源主体はまず、停滞を防がねばならない。
⇒停滞を防ぐ手段として、根源主体は、新陳代謝というはたらきを用意した。新(しん)は新(あたら)しきもの、陳(ちん)は古いもの、代は入れかわること、謝は捨てることである。
・新陳代謝とは(二つのはたらき)
①素材を結合して、新しいものを創り出す(結合(創造)と建設(破壊))のはたらき。即ち“生(しょう)”のはたらき。
新しく創られたものでも、時の経過の中で古くなり、その性能は鈍(にぶ)る。すると停滞する。
②そこで、その古いものを分解した、もとの素材へと還元するはたらきが作動する。分解と還元のはたらき。これが“滅”のはたらきである。
滅といっても、形を変えてゆくだけ。還元された素材は、また結合され、建設のはたらきの中に、組み入れられる。生と滅とは、循環している。
⇒結合と建設のはたらき(生(創造))と、分解と還元のはたらき(滅(破壊))の二つのはたらきにより、新陳代謝は具体的に行われ、進化と向上が実現する。
●新陳代謝(創造と破壊)は、進化し・向上に向かっての変化であることが解る。
・宇宙霊・神・仏
宇宙の根源主体は、一切と創り、生かし、はぐくみ、育て、成長させ、花を咲かせ、光合成をさせて、みのりを与え、反映させるという、絶妙なはたらきをする。
大いなる生命は、周到な配慮をもって、力と叡智を使い、創造活動をしている。
私達の個の生命の呼吸も消化も吸収も、また循環も、みな大いなる生命の力と叡智により、巧みに営まれている。
命を使うにしても、命の法則を無視するわけにはゆかない。
生命の法則に従って、自己の生命の存在を力強く確保し、また生命の活動を効率よく使うシステムが、天風哲人が開かれた心身統一法である。
・「真人生の探求」中村天風著 より
・正義の実行(積極的観念と宇宙現象の根源「気」の正しい認識)
宇宙現象の根源の「気」は、(+)の気と(-)の気の二種類。プラスの気は建設の働き、マイナスの気は消滅崩壊の働きを行って、常に新陳代謝を現実化している。
人間の心が消極的だとマイナスの気と生命が無条件で結合し、積極的だとプラスの気と即座に結合する。積極的観念の保持者が、常に、健康も運命も順調良好なのは、建設能造の「気」がその生命に還流されるため。
⇒積極観念の把持:直接生きる生命に密接な関係を持ち、峻厳な宇宙真理。
・衣服に関する注意(四季と通じて余り厚着をしないこと)
皮膚の抵抗力の減退を防止すると同時に、皮膚呼吸を助長し、また体内の新陳代謝作用を旺盛にするため。
・運動に関する注意(適度適量)
運動は、健康上極めて必要。即ち、生命維持の根本条件たる体内の新陳代謝を促進するため。
適度適量:要は軽い疲れを感じる程度を最良とする。例:カントは、部屋着にポケットを付けないで、ハンカチや入用品を居間の隅につるして置いて、入用の時はわざわざその場所まで行って用をした。(カント自身の運動のため)
⇒積極観念を持ち、良い(適度な)新陳代謝をする。