「知足」 木曜行修会     服部嘉夫

                        2017713

 

 この文字は「ちそく」と読み、「足ることを知る」と云う意味です。京都の石庭で有名な龍安寺の中庭にある石のつくばい(手水(ちょうず)(ばち))に「吾唯足知」と書いてあります

 天風教義の心身統一法の中で、感応性能を積極化する三つの方法の一つ観念要素更改法の附帯要項の中で「感謝の生活と三行」があります。

 天風先生は「たとえ唯今、病に罹っても、運命が悪るくても不平不満を云わずに、今、活きていることに感謝せよ」と云われます。

 一般の人々は物質本位に生きており、満ち足りると云う満足感がなく、何時も五欲(財・色・食・名誉・睡眠)を満すことばかりを考えています。

 昔から「思うこと一つ叶えばまた二つ、三つ四つ五つ難しの世や」と云われ、他の人と比較するから不平不満がおこるのです。他人との比較は「隣りの芝生」の諺のように上を見れば、キリがなく、下を見ればキリがありません。

 現在唯今を感謝して生きることが大切です。

 日常生活において、self control するには、意志の力を強くしなければなりません。それには安定打坐法を行い、霊性心を発揮することです。

 

 天風箴言(叡智のひびき)8に「不平不満を口にする事を(はず)かしい事だと気がつく様になったら、(すく)なくとも自己制御(self control)が出来てきた証拠である」とあります。安定打坐法の実践に努めましょう。