「人間の欲望とは」  木曜行修会  服部嘉夫

 

                          2018823

 

「あゝそうだ!!吾が生命は宇宙霊の生命と通じて居る・・・」(大偈の辞)と人間は宇宙霊の分派・分流であると天風先生は断言します。

 

宇宙霊のもつはたらきは巨大な力と計り知れざる叡智をもって法則性をもって、絶妙な創造活動を行い、一切を進化・向上の方向へと押し進め、万物を調和あらしめようとするものです。

 

宇宙霊と人間は同根ですので、人間も創造活動する営みをすることが人間本来の面目であり、人間の使命です(統一箴言)。

 

人間は、さまざまな行動によって、価値高い人生を建設しようとするのが究極の目的です。人間がその行動を起すには、背後に動機があります。どんな動機かと云うと本能的欲望です。 

 

本能的欲望は4つあります。

 

1)食欲 自己自身を維持するための自己保存的欲望

 

2)性欲 性欲は悪いものでなく、種族保存的欲望で大切なもの

 

3)睡眠欲 これも自己保存的欲望で、刑罰の一つに眠むらさない罰が

 

あるくらい大切なものです。

 

4)集団欲 動物は()れをなしますが、人間も集団、グループを作る癖が

 

あります。これは社会的欲望です。

 

 その他、人間は進化した生物ですので、社会の中で生きているので、更に人間的欲望があります。それは、物欲と名誉欲です。

 

 人の世のために役だつための欲望は焔のように大いに燃やさねばなりません。人間らしい欲望を希望と云います。希望は素敵なことであり、人間的現象ですが個人的色彩が強いものです。しかし個人のやりとげたい希望であっても、それが達された時、人類の繁栄や幸福に多いに貢献するものであれば、それを理想と云います。理想という時には社会性を濃くします。

 

 理想は人間の霊性心から出る人間を進化向上させようとする働きです。恒に高潔なる理想を心に抱くことに努めよう。(理想の誦句)