211.「世済其美」(世(よ) 其(そ)の 美(び)を済(な)す)

原典「春秋左伝」のようです。意味は、「先人の善行や美徳を代々受け継いでいく」です。

 1963年の創立40周年 記念の色紙です。天風先生の創立の意志が、表されていると感じます。

 また、済美高校のwebでは、「一人ひとりの子供をよく観察し、その子の持っている個性(長所や可能性)を伸ばしていくこと。いいかえれば、その子の「済其美」ことが教育の真義です。私たち教師の仕事は、子供の良いところを伸ばすことに尽きます。」とありました。一人ひとりの個性を活かしながら、先人の善行や美徳を代々受け継いでいくことが大切です。

 

追記:最初の文字は、世の古代文字です。

 

・以下、webより

①世世(よよ)()の美()を済()・す の解説

《「春秋左伝」文公一八年から》先人の善行や美徳を代々受け継いでいく。

 

②せい び [1] 【済美】

美徳を成就すること。 子孫が父祖のよいおこないを受け継ぐこと。

 

③済美高校のほうは『春秋左氏伝』。

 

これは孔子編纂とされる歴史書『春秋』に、後世が付した詳細な注解だ。

その中の「世済其美、不隕其名(世々その美を済し、その名をおとさず)」から取ったと学園のwebページにある。

「子孫が先祖の業を受け継いで、よい行いをする」つまり、先輩が残した立派な業績を後輩が受け継いで、ますます発展させていくの意。

 

④『済其美』(其の美を済す)

カテゴリ : ブログ執筆 : 函館禅会 2014/9/25 4:33

私は、公立中学校の教師として30年過ごしてきました。

 

私の教師人生を支えている禅語を紹介したいと思います。

『済其美』(其の美を済す)

 

この三字一句は、中国の古典「左伝」に出ているものですが、教育の核心をついた一語として大切にしています。

教育とは親や教師などが、子ども達の自発的な成長に手を貸して、本来そなえている仏性を円満に育てあげ、その秘めている大きな可能性を最大限に伸ばしてやり、彼らの美点や長所を十分に発揮させる営みです。

 

一人ひとりの子供をよく観察し、その子の持っている個性(長所や可能性)を伸ばしていくこと。いいかえれば、その子の「済其美」ことが教育の真義です。

私たち教師の仕事は、子供の良いところを伸ばすことに尽きます。

 

子供は良いところを伸ばすと、芋づる式に良いところが出てきて、その子の欠点などは隠れてしまいます。

教育という仕事の醍醐味は「其の美を済した」生徒一人ひとりの持ち味(音色)を、教師の振るタクトで響き合わせ、美しい交響楽として教室に大調和の世界を現前させることだと思っています。

 

翠雲記