212.「世上豈無千里馬人中難得九方皐」色紙

「世上豈(あに)千里の馬、無からんや。人中に九方皐を得難(がた)し。」

 この言葉は、天風先生はよく書かれています。軸は、2でご紹介しました。今回は色紙です。

 

 安武貞雄先生の解説(志るべNo.126 昭和4710月号)には、以下のよう「世の中に才智ともにすぐれた人はいるのだが、そういう人材を発見する眼識を持った人は、中々いないというものだという意味」となっています。

 

解説: 一日に千里も走れる駿馬はいるのだが、それを見付け出す人は、中々いないということば。

世の中に才智ともにすぐれた人はいるのだが、そういう人材を発見する眼識を持った人は、中々いないというものだという意味。

(註)千里の馬は一日に千里も走ることのできる駿馬、韓愈に「世に伯楽(馬の相を見分ける名人)あり、然る後千里の馬あり」とあり、戦国策には「騏盛壮の時には一日にして千里を馳す」とある。九方皐は中国の昔馬を見分ける名人の名。

 

 ・以下、長良川画廊webより

【原文】 北宋の黄山谷の詩集『山谷集』巻六の「過平輿懷李子先時在并州」と題する詩の一節。 世上豈無千里馬 人中難得九方

【訓読】

世上、豈(あに)千里の馬、無からんや。人中に九方皋を得難(がた)し。

【語釈】

千里馬―一日に千里を疾走する馬。才能の非常に優れた人をいう。

九方皋―中国春秋時代の馬の鑑定人。

【訳文】

世の中に、どうして千里の名馬がいないことがあろう。必ずいる。

しかし、世間の連中の中に、九方皋のように馬のことがわかる人がいないのだ。

 

(すぐれた人材はいるが、それを見出して登用する人物がいない)