「破草鞋」 木曜行修会 服部嘉夫
2017年11月30日
この文字は「はそうあい」と読みます。草鞋はわらじのことで破れた草鞋のことです。草鞋を永く使うと壊れ履けなくなり不用です。禅の修行の初めは、知識は不用(破草鞋)です。
中村天風先生が縁あって、エジプトのカイロで聖者カリアッパ師に巡り合い、インドのカンチンジェンガの麓にあるヨガの修行場に着いて、何日たってもカリアッパ師が、何も教えてくれないので天風先生は、カリアッパ師に催促しました。するとカリアッパ師は「コップの水を空にしろ」と云われました。天風先生はコロンビア大学医学部で学んだ基礎医学が身について、カリアッパ師から見ると、それ以上教えるのは無理と思われたのでしょう。
天風先生は、それから無になる修行をし、それが認められ、カリアッパ師より真理の教えを受け、実践することで心身が甦りました。
その後天風先生が帰国して、心身統一法を創見される時、インドで修行した体験をもとにして、その上医学も考慮されたと云われています。ですから、心身統一法は現代でも医学的にみても正しいと云われる所以です。