木曜行修会「心を直感力に従わせる」服部嘉夫 20191212

 

 直感とは広辞苑によると「推理や経験によらず直接に感じること」とあります。人間はよく「勘がいい」「勘が働く」とか「勘に頼る」と云う言葉を使いますが、優れた思い付きである「ひらめき」を云うのです。人間は五官感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を駆使して生きています。しかし、五官感覚より今一勝れたはたらきをする感覚を誰れもが保有しています。それは超能力である「第六感」です。これが直感力とか感通作用(Telepathy)と云われるものです。しかし日常生活で本能心、感情心、理性心が優先して、超能力の発現を塞いでいます。天風先生は「超能力は神秘的なものでなく、段階的に訓練すれば開発できる」と申されており、天風会の夏期修練会では能力開発訓練として、テレパシーの修練を行っています。

 

 テレパシーとは言語その他の感覚的手段によらずにある人の精神から他の人の精神に思考、観念、感覚などの印象が伝達されることです。観念を送る人と受ける人が一組になって訓練します。送る人は集中して一心になって観念を送ります。受ける人は何も考えない無心の気持で感じ取ります。

 

 受ける人は無念無心の安定打坐の境地になることが大切です。天風先生は「何事をするにも安定打坐」と云われます。禅宗の公案にも「常に何を思わぬは佛(霊性心)の稽古なり」と無心になる訓練をして、「何も思わぬところより何もかもすれば良い」とあります。

 

 

 正に心を使うには「心を直感力に従わせる」ことが肝要です。